お腹いっぱいになったので、いよいよMRTに乗って淡水に行くことにした。
台北からMRTで40分くらいかかるらしい。
料金表を見ると、淡水までは50元(200円弱)だった。
台湾は公共交通機関の料金が安くて本当にありがたい。
淡水はMRTの淡水線に乗って、終点の淡水駅まで行けば良い。
簡単で楽なのだが、40分も同じ電車に乗っているということで、息子が途中で飽きないかが心配であった。
電車はけっこうたくさんの人が乗っていた。
そして地下を走っていたMRTは、途中から地上に出た。
良かった。
地上の景色が見えれば、息子も珍しい景色にきょろきょろするので飽きなくて良い。
それに私たちも電車から見える、日本とは違う町並みを見ているのが楽しかった。
電車の窓からは台北市内の賑やかな町が見えるが、そんな賑やかな台北市内でもちょっとした山もけっこう目についた。
台北は山の多い地形なのだろうか。
この日は天気が良かったので、太陽の光がとてもまぶしかった。
やはり日本のこの時期の太陽よりもちょっと力強いような気がする。
ちょっと西に傾いた太陽の光に照らされ、町がきらきら輝いて見えた。
この調子なら、ガイドさんが言っていたように、今日は本当にきれいな夕日が拝めそうである。
期待でワクワクしてきた。
私たちはMRT淡水線で淡水まで1本でいけると思っていたのだが、どうやら私たちが乗った電車は途中止まりだったらしく、“北投”という駅で止まってしまった。
ここで乗換えが必要らしい。
面倒なことに、ホームも移動しなければならなかった。
ホームを移動し、しばらく待つ。
この駅は利用者が多いのか、けっこう大きくてきれいな駅だった。
しばらくして淡水行きが来たので乗り込んだら、今度はさっきよりもさらに混んでいた。
やはりたくさんの人が夕日を見に向かうのだろうか。
先ほどの北投駅を出たあたりから、線路の両側は畑などのどかな景色が多くなってきた。
日本のこの時期の色のない世界にくらべ、緑が濃く、しかも太陽の光があたってきらきらしていて、とても明るく感じた。
やはり南国という感じがする。
そのうち電車は川に沿って走り出した。
たぶんこれが淡水河でこの先の河口が淡水の町になるのだろう。
川は河口近いので、けっこう大きい。
そして対岸には山が連なり、その向こうに太陽が沈んでいくみたいだ。
対岸の山すそにも町が広がっている。
その全ての景色がとてもきれいだった。
そして淡水の駅に着いた。
珍しい景色を見ながらだったので、とても早く着いた気がした。
太陽は海のほうに続いている山すそのちょっと上にあり、まさにこれから沈もうとするところで、ちょうどいい時間に着いたみたいだ。
淡水駅のホームからも、沈もうとしている太陽がよく見えるのであった。
ホームからは、淡水の町の賑やかさもよく見えた。
目の前が川になっているのだが、みんなその川沿いに向かって歩いていくみたいだ。
私たちも急いでそこに向かうべく、ホームを降り、改札へ向かった。
次のページ>>淡水の夕日